近代日本の思想の流れと一問一答
近代日本の思想を、概念と生き方の問いから学びます。問題・解説は独立照合前の下書きです。まず流れの解説を読み、一問一答(27問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
啓蒙と民権
近代日本では、西洋の制度や思想を受け入れながら、個人と国家の独立が課題になりました。福沢諭吉は『学問のすゝめ』で、実学と自分で判断する力を重視しました。
独立自尊は、外部の権威に頼り切らず自己を尊重する姿勢です。『文明論之概略』では社会全体の知徳を考えます。西洋を一方的に理想化するのでなく、当時の受容の条件を捉えます。
中江兆民はルソーの思想を紹介し、民権のあり方を考えました。『三酔人経綸問答』は、異なる立場の対話を通じて政治を探究する著作です。
恢復的民権は、人々自身が権利を獲得することに関わります。上から与えられる権利と区別し、自由を守る主体が誰であるかを問いました。
キリスト教と国際的な自己理解
内村鑑三は、教会制度だけに依存しない信仰を無教会主義として説きました。聖書を学び、自己の生き方を信仰から問い直します。
二つのJは、キリストと日本への忠実さを示します。国家への忠誠と信仰の関係は、簡単に一方を他方へ従属させられない問題でした。『代表的日本人』は、国外に向けた日本の人物の紹介でもあります。
新渡戸稲造は、英語の『武士道』で日本の道徳的伝統を欧米へ紹介しました。異なる文化の読者に理解できる言葉で説明する試みです。
国際連盟の活動では国際協調にも関わりました。『武士道』を過去の武士全員の実態をそのまま記録した資料と扱わず、近代の文化的な自己説明としても考えます。
社会と女性の自覚
幸徳秋水は『社会主義神髄』などで社会主義を論じ、平民社の活動を通じて社会の不平等や戦争を批判しました。西洋の思想を日本の政治的な課題へ結び付けました。
その思想の変化や運動への弾圧は、自由な言論と国家権力の関係を考える背景です。社会主義の多様な潮流を、一つの政治的立場だけにまとめません。
平塚らいてうは『青鞜』の創刊に参加し、女性が自らを表現する場を開きました。女性を既存の役割だけで決める社会に対し、自覚と解放を訴えます。
文学的な活動は、生活や社会制度への問いへ広がりました。女性の解放を一つの共通した政策だけで説明せず、当時の論争や異なる生き方の可能性を考えます。
自己本位と純粋経験
夏目漱石は『私の個人主義』で、他人の基準に追随せず、自分の立場を見いだす経験を語りました。自己本位は、自分勝手を許す合言葉ではありません。
自分の個性を認めることは、他者の個性や自由への尊重と結び付きます。社会の中で責任を引き受けることと、個人の独立の関係が問われます。
西田幾多郎は『善の研究』で、主観と客観を分ける前の純粋経験から実在を考えました。西洋哲学の概念と、日本での経験や思索を結び付ける探究です。
純粋経験を、感情だけに従う状態と単純化しません。経験から自己・実在・善・宗教へ問いを広げたことが特徴であり、後の西田の思想にはさらに展開があります。
間柄・風土・民俗
和辻哲郎は『倫理学』で、人間を孤立した個人だけでなく間柄の存在として考えました。個人と共同体の関係が倫理の課題になります。
『風土』では自然環境と生のあり方の関係を考えます。気候が人の性格を一方向で決定するという固定的な分類にせず、人が環境を経験し生活する関係を捉えます。
柳田国男は、常民の生活や伝承を研究しました。『遠野物語』は、地域に伝わる話を通して暮らしと信仰に目を向ける資料です。
民俗学は、公式の記録に残りにくい人々の経験を考える手掛かりになります。自国の伝統を学ぶことと、他文化を尊重することを両立させ、国際社会の中で自己を考えます。
九鬼周造は『「いき」の構造』で、江戸の美意識を哲学的に分析しました。媚態・意気地・諦めという契機から、表現と生き方の関係を考えます。
近世の語を近代の哲学で捉え直すことは、芸道の継承が固定した反復だけではないことを示します。美の語を、文化の優劣を判定する尺度としては使いません。
一問一答
問題一覧を開き、答えの帯を押すと答えが出ます。
全問題の一覧を見る
用語から説明を選ぶ(4択)
用語を見て、正しい説明を4つから選びます。似た種類の用語の説明と比べて選びます。回答後に正しい用語との対応を確認できます。キーボードでは1〜4で選べます。