近世の思想の流れと一問一答
近世の思想を、概念と生き方の問いから学びます。問題・解説は独立照合前の下書きです。まず流れの解説を読み、一問一答(28問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
朱子学と武士の役割
林羅山は朱子学を学び、徳川家の政治や文教に関わりました。上下定分の理は、上下の区別と秩序を重視する語です。
儒学は制度の正当化に用いられるだけでなく、自己修養や教育にも関わります。朱子学が江戸時代のすべての時期に一様な官学だったとする説明は避けます。
山鹿素行は『聖教要録』で古典に立ち返り、武士の道徳的な役割を考えました。武士を、他の身分に対して道を実践する模範として位置付けます。
その議論には、生産に直接従事しない武士が社会にどう責任を負うかという問いがあります。江戸の儒学を、主君への服従だけで説明しないことが必要です。
心と日常の学問
中江藤樹は『翁問答』で孝を重視しました。親子の関係だけに限らず、天地と人を貫く徳として考えます。
良知を重視する思想へも向かい、身近な行為における心の実践を大切にしました。近江聖人という呼称は、その人物像を伝えるものです。
伊藤仁斎は、朱子学の注釈を離れ、論語と孟子の古義を探究しました。『童子問』では学ぶ者との問答を通して道を考えます。
日用の道は、道徳を日々の人間関係と生活の中に見いだす視点です。抽象的な理だけでなく、具体的な人の心と行いに目を向けました。
荻生徂徠は、古代の言語と文献を学ぶ古文辞学を重視しました。『弁道』『弁名』などで、道を聖人の作った礼楽や制度から捉えます。
仁斎と同じく朱子学の解釈を問い直しましたが、政治的な制度とその制定に置く重点は異なります。古学の内部にも相違があることを学びます。
国学と情感
本居宣長は『古事記伝』で古典の言葉を詳しく研究しました。漢意を退けることは、外から持ち込んだ判断の枠組みを当然視せず、資料の言葉から古代の心を考える姿勢です。
もののあはれは、事物や人の心に触れて生じる情感に関わります。国学を現在の自国賛美に直結させず、文献の解釈と、その時代の思想的な主張を分けて捉えます。
町人・農民の倫理
石田梅岩は『都鄙問答』で、商人の正直な職業生活を説きました。利益を得ることと、人を欺かず働くことの関係が問題になります。
石門心学は、儒教・仏教・神道などを参照し、日常の実践を重視しました。武士だけが道徳を担うという見方から、町人の生活へ目を向ける思想として考えます。
安藤昌益は『自然真営道』で、支配と不平等のある社会を問い、万人が耕して生きる自然の世を構想しました。生活を支える労働に根本的な価値を置きます。
この構想は、現代の環境政策とそのまま同じものではありません。誰が生産し、誰がその成果を受け取るかという社会の仕組みへの批判として学びます。
二宮尊徳は、農村の再建に取り組み、報徳の教えを実践しました。至誠と勤労は、人の努力と生活の回復を関係付けます。
分度は収入や生産力に応じた限度、推譲は余剰を他者や将来へ振り向けることです。個人の倹約だけでなく、地域を支える資源の使い方を考える思想です。
蘭学と芸道・美意識
杉田玄白らの『解体新書』は、観察された身体と文献を照らし合わせる学問の変化を示します。中国や日本の既存の知を、西洋の知と比べ直すことになりました。
翻訳の困難を引き受けながら学ぶ姿勢は、次章の西洋思想の受容にもつながります。外来思想は単純な模倣だけでなく、当時の生活と制度の中で受け止められました。
千利休は、侘茶の大成と結び付けられる茶人です。茶道の作法は、ものや空間、人との出会いをどう整えるかという実践に関わります。
侘は簡素さの深み、寂は古びや静けさの趣、雅は優美さ、粋は江戸の都市的な洗練と心意気を表します。それぞれの語に歴史的な幅があり、一つの国民性へまとめません。華道も含め、芸道は継承と工夫、修練と他者との関係を考える場です。
一問一答
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用語から説明を選ぶ(4択)
用語を見て、正しい説明を4つから選びます。似た種類の用語の説明と比べて選びます。回答後に正しい用語との対応を確認できます。キーボードでは1〜4で選べます。